クリエイティブ・マインドセット 想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法

出張の飛行機で移動する際に読んでみました。
積読本もこういったまとまった時間があると、サクサク読めます。

マインドセットとタイトルにある通り、心理状態とか心持ちということなので、好き嫌いが分かれる本だと思います。
リーンスタートアップやUX、デザイン思考等に取り組んでみたいのであれば、やる気を後押ししてくれる内容だと思います。
一方で、How toを求めている方には、はてなマークが浮かぶ内容だと思います。
デザイン思考に興味を持っている私には、とてもよい本だと思いました。

マインドセットの本なので、オープンマインドで良いところを学び取ろうという姿勢が必要なのだと思います。インサイトを得るためのエスノグラフィー的なインタビュー手法もHow toとして記載があったりします。折角の情報もオープンマインドじゃないと気づく感度が落ちてしまうのだと思います。

伝説的な心理学者でスタンフォード大学教授のアルバート・バンデューラによると、われわれの信念体系は、行動、目標、認知に影響を及ぼす。つまり、「自分は周囲の世界を変えられる」と信じている人の方が、目標を実現できる可能性が高いわけだ。バンデューラはこのような確信を「自己効力感」と呼んでいる。自己効力感を持つ人々は、そうでない人と比べて、目標が高く、懸命に努力をし、忍耐力が強く、失敗しても立ち直りが早いという。

技術、ビジネス、人間という3つの要因の交わる点を見つけることが重要。

技術は技術的な実現性を示し、ビジネスは経済的実現性を示し、人間は有用性を表している図は、現実的なバランスを取ることの重要性を示していると思います。
また、デザイン思考の人間中心アプローチを説明している部分でもあると思います。

下記の説明は面白かったです。

ドゥエックによれば、しなやかマインドセットの持ち主は、人間の真の潜在能力は未知(しかも不可知)であり、何年も努力、苦労、練習を積めば、予測も付かないようなことを成し遂げられると信じているという。彼女は膨大な研究に基づき、説得力のある主張をしている。彼女の主張によると、開始時の才能、適性、さらにはIQとは無関係に、努力や経験で能力を伸ばすことは可能なのだという。しなやかマインドセットの価値を正しく理解するには、それとは正反対の悪の双子、「こちこちマインドセット」(訳注:同じくドゥエックの著書での訳語。直訳では「固定マインドセット」)と比較するのがわかりやすい。こちこちマインドセットの持ち主は、意識的または無意識のうちに、人間の生まれ持つ知能と才能の量は決まっていると心から信じている。創造力に対する自信を獲得するための旅に招待されると、こちこちマインドセットの持ち主は、自分の能力の限界がほかの人にバレるのを恐れて、安全な場所にとどまろうとするのだ。

どれだけ出世しても、どれだけ専門知識を身に付けても、常に新しい知識や洞察を取り入れることは欠かせない。そうしなければ、既存の〝知識〟を過信し、間違った判断を下しかねないからだ。情報に基づく直感が有効なのは、最新の正確な情報に基づいて判断した場合だけなのだ。

上記の部分は、専門職として働く私は、常に意識していなければならないことだと考えます。

久しぶりに一歩踏み出すことを後押ししてもらった気がします。

投稿者: admin

ITエンジニアでキャリアをはじめ、SEやプロマネとして働いた後にマーケターとして新規事業開発などで働いていました。現在は経営戦略室で勤務しつつ、経営コンサルタントとしても活動しています。 詳細な自己紹介はこちらへ。