リクルート流 イノベーション研修全技法

積読本を気晴らしに読みました。リクルートの方の本は、どれもさくさく読めるところがいいです。

イノベーションを起こすための「人材育成」について書かれていました。デザイン思考同様に特定の専門家だけがイノベーションを起こすパターンではなく、普通の人にイノベーションを起こしてもらうための手法について書いてある本です。

そのとき必要となる人材が、イノベーションリーダーです。管理型で、決められたことをやり切り・やり切らせる人ではなく、何が起きるか分からないような不確実で不透明な状況において、自らイノベーションを生み出せる人材です。彼・彼女らは、イノベーションをおこして自ら変化を創りだします。ゲームに勝つのではなく、ゲームのルール自体をつくる人たちなのです。

「一流企業が求めるリーダー」のコラムの欄は興味深かったです。余裕があるだけあって、しっかり人材育成しているところが素晴らしいと感じました。私が勤めている会社との比較を行うと、なおさら素晴らしいと感じます。

イノベーション(新規事業開発系のことを考えさせる)と異業種(自社のみならず必ず他社とのインタラクションを行う)の2つを次世代リーダー研修の必須条件に決めたとのこと。彼らが受講者に身に付けさせたいのは、頑強な主体性と当事者意識であり、自分で考え抜き行動する力です。

「圧倒的な当事者意識が発露する瞬間」というところは、私自身も似た体験があるので懐かしく感じました。大学院を卒業した後で、お世話になった方に会いに行こうと思いました。

イノベーション研修では、受講者の志を引き出すために、Will/Can/Mustのフレームを活用して内省を深める場合もあります。やりたい事、できる事、すべき事を棚卸しすると、多くの人は重なり合いません。

「事業案フレーム」は、確かに経営者の方が常に頭に置いていることだと感じます。経営について経営者が最も考えているのは当たり前ですが、その経営者に対して提案するのであれば、少なくとも下記についてはしっかり準備しておく必要があると思います。これはピッチの時も似た感じだと思います。

事業案フレームとは、「我々は○○○という事業を行うべきだ」と主張する際の”根拠”となるもので、以下の7つの要素から構成されています。
1.「それは何?」(事業の定義)
2.「何でやるの?」(事業の意識)
3.「市場はあるの?」(市場規模)
4.「儲かるの?」(収益構造)
5.「勝てるの?」(競争優位性)
6.「できるの?」(実現可能性)
7.「本気なの?」(提案者の本気度)

本業でお世話になったことがある会社なので興味を持ちながら読みました。

投稿者: admin

ITエンジニアでキャリアをはじめ、SEやプロマネとして働いた後にマーケターとして新規事業開発などで働いていました。現在は経営戦略室で勤務しつつ、経営コンサルタントとしても活動しています。 詳細な自己紹介はこちらへ。