私のライフワークのひとつにしたいと考えている、変革マネジメントに関する本でした。経験をもとにした内容でした。
コッターさんの「企業変革力」などが有名ですが、大企業中心の変革事例の研究結果がもとになっていると感じます。
一方で、同書はもう少し地に足の着いた感じを受けました。事例で出てくる企業はもちろん大企業でした。
私自身が取り組んだ企業変革プロジェクトとは、若干違う部分もありますが、同じように進めた部分が多いと感じました。同書は、コンサル会社のノウハウを書いてあると思うので、うまく整理されていると感じました。
図8 育つ変革プロジェクト10の原則
P49 第1部 育つ変革プロジェクトとは何か?
1.OWNERSHIP
→ リーダーシップを発揮すべき「自分の担当領域」を全メンバーが持つ
2.CHALLENGE
→プロジェクトも個人も、はじめてのことに取り組む
3.OPINION
→ 「オレはこう思う、こうしたい」の表明から始める
4.FACILITATION
→ 他人の意見を引き出し、整理し、合意し、推進する
5.PROCESS
→ 正解を知っていることよりも、前に進めるプロセス構築力を重視する
6.OPEN
→情報を開示することが、助け合うことの第一歩
7.TRIAL
→ まず試し、失敗して学ぶ
8.PEACE
→ OPINION、OPEN、TRIALの基盤は心理的安全性の確保
9.FEEDBACK
→ 「こう見えるよ」を贈り合い、自ら振り返る
10.RESPONSIBILITY & HAVE FUN!
→ 「必ずやり遂げる責任感」と「楽しいからもっとやる」の両立
下記は現在関わっているプロジェクト内の振り返りや、妨害リストの作成で役に立ちそうなフレームワークだと感じました。スクラムを活用したプロジェクトなので、定期的に振り返りの場があります。一度限りのプロジェクトだからこそ、成功確率を高めるための努力は欠かせません。そのために振り返りは重視しているポイントのひとつです。
図2 振り返りの観点(5M+1Eを参考に振り返りを行う)
P268 第3部 走りながら育てる
Man:人の問題、ステークホルダー/現場巻き込み不足、など
Machine:設備やインフラの不備、など
Material:情報収集不足、課題感・解消策のズレ、など
Method:導入手法不備、説明・運用フォローの不足、など
Measurement:KPI未設定、PDCA未実施、など
Environment:ロードマップの短縮要請、成果圧力、など
この本を読みながら、自らが当事者として変革プロジェクトを推進しているときのことを思い出しました。今後はコンサルタントとして、企業変革のお手伝いをしていきたいと思います。