ビジネスモデルの教科書

Kindleの中に入れっぱなしだった積読本の中から読んでみました。

ビジネスモデルを分類して、フレームワークとして示しながら説明している本でした。フレームワークとしてパターンを「守」として知っておくと、新たなビジネスを検討する際に「破」や「離」までの期間が短くなるのではないかと考えます。

企業規模にもよりますが、パターンの使い方の巧拙で結果に違いが出るということだと下記を読みながら考えました。

事業レベルのビジネスモデルが顧客に選択してもらい競合に対して優位に立つことを目指したモデルであるのに対して、
(中略)
コーポレートレベルのモデルは、持株会社や買収ファンドが使うべきモデルです。

289/3137 序章 ビジネスモデル概論と本書の読み方

下記はなんとなく理解できました。ただし、現在のメーカーは単純な製造業としての機能を発揮するだけに留まっていては生き残れないので、サービス領域に進出しています。よって、どのような企業もプラットフォーム戦略を重視しているのだと感じます。プラットフォーム戦略においては、レイヤーマスターとして1位になれる領域を持つことが一つのポイントだと考えます。

そのため「プラットフォーム」が基本的にサービサーのモデルであるのに対してデファクトスタンダードは基本的にメーカーのモデルであるということができます。

1366/3137 第1部 事業レベル編

下記は標準化、マニュアル化が効果を発揮するビジネスを展開する場合に、頭に留めておくことだと考えます。いわゆる「専門家の罠」というものがビジネス展開の邪魔をするということだと考えます。
プロの職人さんに新しいことに取り組んでもらうよりも、何も知らない方に取り組んでいただいたほうがよい結果が出たというのは、私もエンジニアのころに何度も経験しました。既存技術の範囲内で効率性を求める場合はプロの専門家にお任せして、新たな領域はプロ以外の方にお任せするという一つの指針のようなものだと考えます。
また、プロフェッショナルという専門家という人だけでなく、企業であっても同様なのだと考えます。これが既存企業でイノベーションを起こすことが難しい理由の一つだと感じています。

プロを雇い、プロの文化を持ってしまった企業にとって、マクドナルド化することは容易ではないと言わざるを得ません。実際、例に挙げたブックオフやガリバーインターナショナルでは、同業種で働いてきた人の雇用を拒否しています。それは、そのような人を雇ってしまうとプロ意識からマニュアルに従わず、ビジネスモデルを攪乱するからです。

2182/3137 第1部 事業レベル編

下記の法則は初めて知りました。GEが業界シェア1位か2位でない事業からは撤退したという理由の一つだと感じました。3位はぎりぎり生き残ったというだけなので、2位以内に入らなければならない。もっと言うと1位を目指せない事業はダメで、1位になれる場所を探すというのが戦略だと考えます。
蓮舫さんの「2位じゃダメなんでしょうか?」を思い出しますが、グローバルトップでも、ニッチトップでも、地域一番店でもよいので、1位じゃないとダメだと考えます。

経験的なルールとして、成熟した自由競争市場では、ニッチを除く一般的な事業者は3社程度しか生き残ることができません。この経験則はシース、シソーディアという2人の学者によって「3の法則」と名付けられています。

2630/3137 第2部 コーポレートレベル編

今回読んだ本以外にも並行していくつか読んでいるので、頭の中で点と点がつながり、新しい発想に役立っているように思います。

投稿者: admin

ITエンジニアでキャリアをはじめ、SEやプロマネとして働いた後にマーケターとして新規事業開発などで働いていました。現在は経営戦略室で勤務しつつ、経営コンサルタントとしても活動しています。 詳細な自己紹介はこちらへ。