世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?~経営における「アート」と「サイエンス」~

かなり前にダウンロードしていたものをのんびりした時期に読んでみました。

個人的にも何度も体験しているVTSが出てきたりして興味深かったです。気軽に読める本でした。

世界のエリートがなぜ美意識を鍛えているのかを説明していました。「忙しい読者のために」というくくりで下記のように説明されていました。サイエンスだけではだめなので、アートも含めて両方が必要だということだと理解しました。
表現を変えると左脳だけではだめなので、右脳も必要ということだと思います。確かに私の出会ってきた素敵だと思う方々も、左脳と右脳の両方が優れていると感じる方が多いように思います。

彼らは極めて功利的な目的のために「美意識」を鍛えている。なぜなら、これまでのような「分析」「論理」「理性」に軸足をおいた経営、いわば「サイエンス重視の意思決定」では、今日のように複雑で不安定な世界においてビジネスの舵取りをすることはできない、ということをよくわかっているからです。では、そのように考える具体的な理由はなんなのでしょうか?

11ページ はじめに

下記のまとめが、個人的には納得感のある表現でした。手触り感のあるクラフトに加え、従来は知識・経験・ノウハウを活かしたサイエンスでコンサル業が成り立っていた。実際のところ、今でもそうだと考えます。そこに非連続的な変化が劇的に訪れる現代では、アートも必要ということを指摘しています。

整理すれば、コンサルティング産業は、豊富な経験を持つ長老のような人によるグレイヘアコンサルティングからスタートし、マッキンゼー中興の祖であるマービン・バウアーによるファクトベースコンサルティングへと大きく進化しました。このシフトは、クラフト偏重によるコンサルティングから、サイエンス重視によるコンサルティングへのシフトとして整理できます。そしていま、機能面での競争から情緒面での競争へのシフト、あるいは技術や政治、外交などが複雑に絡まり合うVUCAの世界における、サイエンス重視型アプローチの限界という状況に直面し、コンサルティングの世界に「アート」を盛り込もうとしている、というのが私の整理ということになります。

96ページ 第2章 巨大な「自己実現欲求の市場」の登場

VTS(Visual Thinking Strategy:対話型アート鑑賞)は、アートコミュニケーターの方をファシリテーターに迎え、実際に街に出て何度も体験しました。事前にアートの素養が求められることもなく、アートを目の前にしてもファシリテーターから解説があるわけでもなく、参加者それぞれの感想・発言をもとにした対話が繰り広げられます。

本書では、下記のように方法論が発言を促すと説明されていました。

具体的には、次のような質問をして、参加者に発言を促していきます。

1.何が描かれていますか?
2.絵の中で何が起きていて、これから何が起こるのでしょうか?
3.どのような感情や感覚が、自分の中に生まれていますか?

192ページ 第7章 どう「美意識」を鍛えるか?

アートに続いて、哲学についても触れられていました。個人的には大学時代の記号論がちんぷんかんぷんで、苦手意識を持っているのが哲学です。記号論=哲学ではないのですが、一種のトラウマみたいなものになっているのだと思います。

私が優れていると思っている方々は、確かに哲学や文学に造詣が深かったり、歴史に大変詳しかったりします。考えるベースにこれらがあるからこそ、判断するための情報が少なかったりしても直感で判断して、間違えることが少ないのだと感じさせられます。本書では、哲学からの学びは下記だと述べられていました。

現代を生きるビジネスパーソンにとって、「哲学から得られる学び」には、大きく3種類あります。
それらは、
1. コンテンツからの学び
2. プロセスからの学び
3. モードからの学び
ということになります。
コンテンツというのは、その哲学者が主張した内容そのものを意味します。次にプロセスというのは、そのコンテンツを生み出すに至った気づきと思考の過程ということです。そして最後のモードとは、その哲学者自身の世界や社会への向き合い方や姿勢ということです。

205ページ 第7章 どう「美意識」を鍛えるか?

目先のことで手一杯だったここのところを振り返り、読書のための時間を取りたいと強く感じました。

今のところ社会とのつながりがなくなると、自分自身がつまらない人間になると思っているのでファットFIREは目指していません。サイドFIREやバリスタFIREには、興味を持っています。サイドやバリスタだと、自由な時間を好きに楽しみながら、社会とのつながりも維持しつつ、社会貢献にも寄与できると考えています。

個人的な人生目標の一つとして頭に置き、行動につなげたいと思います。その自由な時間のなかで、積読本をぼちぼち消化することや、街や旅に出て現場を楽しむことにもより多くの時間を使えたら幸せですね。こうしたことを考えるだけでも、薄っすらと幸せを感じます。

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