アフターコロナの経営戦略

積読本から読みました。お風呂の中でも読めるのでKindleは便利だと思っています。
近々とあるセミナーの企画があり、コロナについても触れるので参考にしようと思い買っていたものになります。

下記はPPMの説明で出てきたものですが、金のなる木は「選択と集中」の対象外ということです。時々見かけるのは、議論の中で金のなる木の事業を色々といじくりまわそうとすることです。折角、最小のコスト、最小の手間でキャッシュが稼げる状態にあるのに、なぜかコストやリソースをかける議論に出合うことがあります。

最も重要なポイントは、「選択と集中」は今後の成長性と収益性が高い事業で行うべきであり、本業維持の戦略ではないことである。

757/3147 第2章 「選択と集中」の罠

面白いと感じたり、興味深いと思ったのは下記の図表です。

●表5 プロダクト・イノベーションの成功確率(2015~2017年)
この表からは、ビジネスプロセスのイノベーション割合が多く、新たな取り組みのイノベーション割合は少ないという内容でした。要は、プロセス改善は取り組みやすく、効果も得やすいが、中長期のイノベーションは取り組みにくく、効果が得にくいということだと思います。一方で、新たな取り組みによるイノベーションに着手しないと、中長期には企業価値が低下するということだと感じます。

●図10ザ・モデルのプロセス図
これは久しぶりに見た図でした。マーケティングオートメーションをプロセスごとにKPIに分解したものです。KGIやCFSを定義したうえでのKPIだと思いますし、上位部門のKPIは下位部門のKGIという関係を理解したうえで指標を設定する必要があると考えます。

●図16企業の競争優位の源泉の変化
こういった外部環境の変化に気づき、手を打っていくことが経営層に求められている役割だと考えます。

大阪中小企業診断士会の「中小製造業における「技能伝承(継承)」の実態調査と提言」がこの本の中で取り上げられており、私も読んでみました。私自身が製造業の街出身ということもあり、興味深い資料でした。大田区や川崎市、東大阪市など製造業の集積している地域に限らず、参考になる内容だと感じます。

下記は本の引用で、広告、PR、ブランディングの違いについて示していたものでした。目的と効果を鑑みて、どの手段を取るのかを考えなければならないということだと考えます。

彼らの説明では、広告とは、企業が消費者に対して、「私はおいしいレストラン!」とアピールすること、PRとは、企業と消費者の間にPRが入り、「私を信じて。彼はとってもおいしいレストランなのよ」と言ってもらうことだ。それに対して、ブランディングとは、「あなたっておいしいレストランなのね。一目見てすぐわかったわ」と消費者の側から自発的に認識してもらうことだ。PRや広告は仕掛けがあり、ブランド(ブランディング)とは方向性が異なる。

1436/3147 第5章 「アフターコロナ」の時代にすべての企業が採り入れるべきSDMSフレームワーク

材料としての人材ではなく、個人の才能を活かした人才という観点でのお話でした。人罪、人在、人材、人財のフレームワークはよく見ますが、ダイバーシティや今後のイノベーション、デジタルによる単純労働の代替などを考えると「人才」を伸ばすというのは一つの解だと感じます。経営者としては、タレントマネジメントの観点から人を活かすことを考えなければならないということだと考えます。

人「材」ではなく、人「才」として、それぞれ個人個人の能力を上げ、才能を活かすための制度や従業員への投資を行っていかなければならないのである。

2905/3147 第10章 組織と人との関係はどうなるのか?

大企業の事例が多いのですが、企業規模が小さくともエッセンスを取り入れてみるとよいと感じました。また、経営戦略がタイトルについていますがマーケティング戦略の内容だと感じました。要は経営戦略とマーケティング戦略が融合しつつあるということだと感じます。

投稿者: admin

ITエンジニアでキャリアをはじめ、SEやプロマネとして働いた後にマーケターとして新規事業開発などで働いていました。現在は経営戦略室で勤務しつつ、経営コンサルタントとしても活動しています。 詳細な自己紹介はこちらへ。