ビジネスモデル・ナビゲーター

絵本のような感じでパラパラめくれる本です。
55パターンのビジネスモデルに整理・分類して、様々なインサイトを得ることができます。

ビジネスモデルイノベーションのマジック・トライアングルというモデルをベースに、各ビジネスモデルが解説されています。
誰に、何を、どのようにといったドメインを明確化するといった感じを受けます。

既存のビジネスモデルが収益をあげ続けている状況において、現状の心地よい状況からなぜあえて飛び出さなければならないのか理解できない、という企業リーダーは多い。しかし、利益が最高の状態から減り始めたら、すでに新たなビジネスモデルを導入する機が熟した徴候と考えるべきだ。新たなビジネスモデルを開始するタイミングが遅れて会社が危機的状況に陥ってしまったら、取締役会にはリストラをしてコスト削減をする以外の選択肢がなくなってしまう。「調子がよいときにこそ事業革新をしなければならない」と言ったデル社創業者のマイケル・デル氏の言葉は核心をついている。

エコシステムとしての分類で「関係者と影響因子に関する分析チェックリスト」は参考になりました。
また久しぶりに「マクドナルド社のキス原則(KISS = Keep it Simple, Stupid:物事をシンプルに保つ)は、どんな会社にとっても理に適っている。」を見ました。その通りだと思います。
「ビジネスモデルのアイデアを評価し選定する際に、ベンチャーキャピタリストがよく利用するNABC手法(訳注:Need〔ニーズ〕、Approach〔取り組み方法〕、Benefits〔メリット〕、Competition〔競合〕の観点でビジネスモデルの有効性を評価する手法)は非常に有用である。」この分類も参考になります。

下記はデザイン思考関係でよく指摘されることだと思います。

過去 においてイノベーションの任務はエンジニアによる研究開発に限定され、「クリエイティブな」天才社員のみにイノベーションが委ねられていた。我々の理解では今日のイノベーションは、そしてビジネスモデルイノベーションの場合は特に、全社横断の相互作用的なプロセスであり、可能な限り多くの視点からの検討が求められる。ビジネスモデルイノベーションでは初期の段階から、研究開発部門に加え、マーケティング、戦略企画、営業、製造、物流、購買、さらには顧客や取引先を巻き込むことが必要だ。

コンサルタントとしては、名医を目指したいものです。石積み職人の話もあるので、世界的に同じようなことわざがありそうですね。

中国のことわざに「名医は病気を未然に防ぎ、並みの医者は病気にかかりにくくし、ダメな医者は病気の治療をする」というものがある。

息抜きや何も考えたくないときに良さそうな気がします。個人的には「ザ・プロフィット」の方が面白く感じます。

投稿者: admin

ITエンジニアでキャリアをはじめ、SEやプロマネとして働いた後にマーケターとして新規事業開発などで働いていました。現在は経営戦略室で勤務しつつ、経営コンサルタントとしても活動しています。 詳細な自己紹介はこちらへ。