カスタマー思考でサービスを設計しようという本です。
薄い本なのでサクサクと楽しんで読むことができました。
コトラー先生の4.0に至る道でもよく出てきますが、下記はサービスをデザインするにあたっては忘れてはならないことだと思います。
製品とサービスとの根本的な違いは、サービスが、提供者と利用者との相互協力により作られるものだという点です。
下記はwhyをきっかけにして、行動が変わると指摘しています。その上で、カスタマー・ジャーニー・マップを作成し、仮説検証とタッチポイントの改善策を検討することを勧めていました。
人々の行動はつねに、さまざまな思考モデルによって形作られており、その背後にある本来の理由を理解せずに行動を変えるのは難しいものです。行動を変えるためには、「なぜ」物事が現在の様相を呈しているかを理解しなければなりません。
本書の真ん中位に例示のあった「顧客接点(タッチポイント)マトリクス」は参考になりました。
様々な観点でタッチポイントを洗い出すために役に立ちそうだと感じます。
下記はその通りだと思うのですが、私の現在までのビジネス経験で「経営陣」が責任を果たしている姿は見たことがありません。海外の企業や国内のベンチャーだと「経営陣」が責任を果たそうとしているようなイメージがあります。
サービス・デザインは、顧客の視点から、事業を体系的に編成する技法です。事業を体系的に編成する仕事の責任者は、経営陣です。
本書は「情報の発見」に特化して書いているとのことで、潔い点が好感が持てます。
デザインには4つのDがある、と言われます。discover=発見、define=定義、develop=開発、deliver=提供です。そうだとしたら本書の内容は、最初のD、つまり発見に関する解説です。
本書の最後に各種ツールの解説があり、なかなか楽しませてもらいました。サービスをデザインするという観点で物事を考えるきっかけによい本だと思います。