続けて積読本を読んでみました。
この本は、カスタマージャーニーマップを描く方法を丁寧に説明している本でした。
大企業に所属する方が、どうやって組織を動かすのかをサービスデザインの手法を用いて実施しようと説いている本でした。
下記のポイントはなるほどと思いました。
「サービスの4つの段階」のポイント
1 顧客の体験は、組織とのつながりができる前に始まっている。
2 始まり方次第で、関係の良し悪しが変わってくる。
3 顧客のニーズは、関係の途中でも変わりうる。
4 過去の顧客は将来の顧客でもある。
5 あるサービスの元顧客は、別のサービスの見込み客である。
多くの人を変革に巻き込み、サービス変革を果たすためには共感を得なければならないということだと思います。その共感を得るためのツールにカスタマージャーニーを使おうといっているのだと思いました。
カスタマージャーニーは、顧客エンゲージメントをデザインし、サービスの質を改善したいときに威力を発揮する。カスタマージャーニーは、どんな決断をするべきか、どこへリソースを注ぐべきか、どんな活動を実施すべきかを組織に教える、いわばガイドマップであり、重要性は極めて高い。
日本では「サービス=無償」と捉えている方が多いように思いますが、CXはコストダウンと収益アップが両立するものでなければならないという点に共感を覚えます。
サービスデザインでは、では、顧客体験と業績を連動させ、どちらかが改善すればもう一方も併せて改善するという形を目指す。優れた体験とは、コストを押し下げつつ、収益を増やすものでなくてはならない。
下記はよく観察し、気づくための眼を持たなければ対応できないと感じます。個人ではなく、組織でそれを持つことはもっと難しいことだと感じました。
顧客エンゲージメントは、ビジネスや組織、サービス提供者が顧客へ価値を届けるために取る行動を指す。そうした行動は、顧客との関係が始まる以前から、サービスの利用開始のタイミング、顧客が途中で何かを受け取る瞬間、そしてサービスを必要とする、あるいはほしがる時期が終わった以後まで、サイクルの全域にわたって発生する。
下記はその通りだと思いました。華々しい仕事なんて一瞬だけ現れるか、現れないか程度で、殆どは砂を噛むような仕事が続くと実感しています。
多くの点で、顧客体験の改善や、サービスイノベーションのビジョンを描くこと自体はそう難しくない。ところが、それを組織内で起こすとなると難易度は跳ね上がる。サービスデザインは、彩り豊かな明るい未来を作るだけのものではない。歯を食いしばって変化を起こす泥臭い仕事でもある。
興味を持っているデザイン思考の一環で読んでみましたが、さくさくと読み進めることができました。