THE MODEL

今かかわっているインサイドセールス関係の本です。途中で中だるみする部分もありましたが、とても参考になる本でした。

よく知られた格言ですが、独自の解釈が加えられており本の内容を期待させます。

オットー・ビスマルクの格言に、「Fools say they learn from experience. I prefer to learn from the experience of others」という言葉がある。

この本の肝は、「マーケティング、インサイドセールス、営業」の各部門を統合して運用することだと感じました。
また、本の終わりの方の章では、「人材・組織・リーダーシップ」について触れられており、著者としては最も主張したいポイントなのだと感じました。

私のかかわっているインサイドセールスでも、リードジェネレーションの領域と、ナーチャリングプロセスの領域、営業への引き渡し、契約以降の顧客との関係性強化、等の一連のつながりを統合していく部分の難しさを感じています。
特に難しいと感じるのは、部門間の意地の張り合いの部分です。業務設計の難易度とは比べ物にならないくらい、部門間のコンフリクトを解消しビジネスプロセスとして統合していくことは難しいと感じます。
こういった時にこそ、強権を発動できる上位層が積極的にイニシアチブを取ってくれると嬉しいですが、新規領域に上位層が積極的に関わることは少ないと感じます。

下記の例えは、ビジネス経験の話と、体系的な知識の両方が必要だと述べているのだと感じました。私自身、これまでのビジネス経験を元に、大学院で学んだMBAの体系的な知識やPMBOKのプロジェクトマネジメントの体系的な知識を活かして今後のビジネス展開を考えているので納得感がありました。

普通の人はオセロをやると勝ったり負けたりを繰り返すが、何度やっても圧倒的な強さで勝つ人がいる。これはその場の思いつきで手を考えているか、勝つためのセオリーを知っているかの差である。

最終章後のコラムは、私も肝に銘じていこうと感じた部分です。上に立つものには必須の能力だと感じますが、安心して関わることのできた上司は少なかった気がします。

会社が小さい時は色々な人にお世話になって助けてもらったのに大きくなると急に業者を切り捨てたりする人がいる。どんなに忙しくても断る時は相手の立場に立ってきちんと説明し、謝る。悪い話の時は上司を入れてお詫びしてもらう。良い話の時だけ上司が顔を出すなどもってのほか。売ることと同じように正しく購入することが必要だ。会社の強さは営業に表れるが、会社の品格は購買に表れる。

お風呂の中で楽しんで読むことができました。
広義のマーケティングの観点から、 CxOの人がトップに立ち「狭義のマーケティング、インサイドセールス、営業」の各部門を統合 していくことが求められているのだと感じます。

投稿者: admin

ITエンジニアでキャリアをはじめ、SEやプロマネとして働いた後にマーケターとして新規事業開発などで働いていました。現在は経営戦略室で勤務しつつ、経営コンサルタントとしても活動しています。 詳細な自己紹介はこちらへ。