行動デザインの教科書

積読していたものを読みました。
B2C向けのマーケティング本だと思います。

昔ながらのモノ視点ではなく、行動視点でマーケティングすることを勧めている本でした。私は考え方を整理するために使うとよいと感じました。How toを求めている方にはフラストレーションの溜まる本だと思います。

下記はデザイン思考の説明で、デザイナーの考え方をビジネスに活用するということを説明したものだと理解しました。

つまりデザインという行為は、なにもないところから構想し、設計し、最終的にその設計を目に見える、手で触れる形にして現実空間に定着させるまでの全体プロセスを意味しています。

190/3410 はじめに

従来は人口増加が市場拡大と連動していたが、現在は人口減少時代なので一人の人の行動量が大切ということを指摘していると感じました。

「行動量」とは、一人当たりのその行動へのリソース投入量(金額・頻度など)と、参加人数の掛け算です。少子高齢化で参加人数がこれ以上増えそうもない時代の中では、一人ひとりの「行動量(リソース投入量=金額、頻度など)」のほうを増やすしかないかもしれません。

539/3410 第2章 マーケティングは、生活者の「行動」をとり合う競争だ

52週カレンダーはB2Cビジネスの中では、当たり前のツールだと考えていたのですが、下記のような説明があるということは、当たり前ではないのだと気づかされました。小売業に特化した説明でしたが、サービス業でも同様にツールに計画が反映されている場面を多く見ています。
計画・準備を行っている企業と、そうでない企業で対応の差が大きく出る部分なのだと感じました。

小売業の中でも特に毎日の食生活に寄り添うスーパーマーケットでは、「52週MD(マーチャンダイジング)」と呼ばれる店頭づくりが工夫されています。「52週MD」とは1年365日を52週に分け、モノで区分されたレギュラー売場と並行して、毎週違うテーマを設けて売場をつくっていく〈カテゴリー横断型〉の売り方です。

666/3410第2章 マーケティングは、生活者の「行動」をとり合う競争だ

下記は、中小企業においては必須の施策だと感じました。
数量では大企業に勝ることが難しいので、そもそも仕入値が大きく異なります。このため売値を下げる施策は、中小企業では避けるべきだと考えています。このため、価格に頼らない差異の出し方に工夫がいるのだと考えています。

でも、「無料」「割引」などの価格操作だけでは人が動きにくくなっている今だからこそ、金銭コスト以外のコストについて、改めて考えてみるいい機会だと思います。

1240/3410 第4章 リスク感とコスト意識が、行動の鍵をにぎっている

この本では行動観察の方法が若干書かれていました。エスノグラフィーについて学ぶことも必要でしょうし、顧客基点でジャーニーマップに落とし込み策を打つことも必要だと感じます。

私たち研究所が提案している「行動チャンス」は、そうした「モノの改善アイデア」ではありません。生活場面の中に実在する「行動スイッチ」の観察から、それが大きく未充足な状況を「行動チャンス」としてとり出していく作業です。

1727/3410 第5章 行動を喚起する「行動チャンス」を日常から見つけよう

下記は、この本の主張と同じことだと説明がありました。この方の論文は読んだことがなかったので、読んでみたいと思いました。
一方で、動機がなくとも行動を起こしてもらえるようにビジネスをデザインするのがマーケターの仕事だと感じました。

B・J・フォッグ博士が「フォッグ式行動モデル」という方程式(B=M×A×T)を提唱しています。Bは行動(Behavior)、Mは動機(Motivation)、Aは能力(Ability)、Tはきっかけ/トリガー(Trigger)。この3つが揃わない限り行動は生まれない、という理論です。

3114/3410 第8章 なぜコンビニの100円コーヒーは大ヒットしたのか?

なんとなく読みにくさを感じながら読んだ本でした。個人的に、何か引っかかる部分がある内容を含んでいた本なのだと感じました。

投稿者: admin

ITエンジニアでキャリアをはじめ、SEやプロマネとして働いた後にマーケターとして新規事業開発などで働いていました。現在は経営戦略室で勤務しつつ、経営コンサルタントとしても活動しています。 詳細な自己紹介はこちらへ。