Kindleに入れっぱなしだったものをようやく読み終えました。時期的には少々古めの本だと思いますが、経営戦略として頭を整理するのにはよかったです。
この本では、日本はDXが遅れているので、一足飛びに先進企業のようにはなれない。よって、ステップを踏みDXを推進することを勧めていました。
これは現時点においても、現実的な解決方法だと感じます。DX≠IT化なので、単にIT導入してもなんの解決にもなりません。そもそも人材というリソースが最も不足しているので、外から補わなければDXは加速しないと感じます。
本書においては、日本企業がデジタルトランスフォーメーションを推進するうえで有効な基本戦略について提言している。「デジタルパッチ」「デジタルインテグレーション」、そして「デジタルトランスフォーメーションの完遂」という3ステップから成る戦略だ。
44/2358 はじめに
石橋を叩き過ぎて壊す典型的な日本企業の例だと感じます。持続的イノベーションには最適なアプローチでしたが、パラダイムが異なっている現在では、別のアプローチをとらないと成功しないと感じます。
日本企業は100%の精度を追求することが美徳であり、その文化が製造業を支えてきた。しかしデジタルの世界では、発展途上の技術であっても素早く製品化、サービス化したほうが優位に立てる可能性が高い。
281/2358 第1章 加速するデジタル化のトレンド
欧米だからではなく、日本企業でも理念やミッションが明確な企業とそうでないところでは、結果が異なるということだと感じます。
クモの巣があるような壁に貼っただけの標語的なものではなく、どう行動すればよいものかわかるということが大切なのだと考えます。
欧米企業は必要なポジションを定めて、経験のある人材を外部から採用する。社内で積める経験は限られており、社外での経験を高く評価する。雇用した人間が企業の方向性をすぐに理解できるように、企業のミッション・バリュー・行動指針を明確にしている。企業が目指す方向性を明確に示し、その通りの行動を取ることを求めているのだ。
1052/2358 第3章 日本企業のデジタル戦略の問題点
下記はマーケティングを実践する意味そのものだと感じます。
デジタルによるイノベーションの本質は、ユーザー自身が気づいていない潜在ニーズの顕在化だ。日々の生活の中で生じる様々な欲求を、その場でリアルタイムに満たすようなサービス価値を創出したり、今までにない驚きやわくわくする体験を実現したりすることなのだ。
1052/2358 第3章 日本企業のデジタル戦略の問題点
この本で一番印象に残っているのは下記です。
強力なリーダーシップの一方で、リーダーを孤立させてはいけないということを述べています。つまり、裸の王様ではなく、フォロワーの重要性を述べているのだと考えます。
また、リーダーが活躍できる環境を整えるのは経営側の仕事だと考えます。よい人材を外部から招いても、孤立して力を発揮できない場面を多く見てきました。多くは、現場の風土が悪い、リーダーが悪いという現場のせいになっています。本来は、経営側が何を目的にしており、何のために外部招聘し、いつまでに、どこに向かうのかを現場に理解させていないために起こっている事象だと感じます。
だが、リーダーは孤立してはならない。周囲もリーダーを孤立させてはならない。双方向のコミュニケーションが重要である。
2079/2358 デジタル化を成功させる9のアプローチ
(中略)
デジタル戦略の成否は、リーダーの資質だけではなく、リーダーが活動できる環境を用意できるかに左右される。いくら優秀なリーダーでも一人だけで結果を出すことはできない。
DXではないですが、起業を準備している私もいま一度、計画や準備を進めたいと感じました。