以前買っていたものを読んでみました。Kindle本なので勝手な想像で、文庫本位の厚みがある本だと思っていたら、さくさく読了できるボリュームでした。
さて、コンサル会社に勤めていた私が気になったのは下記の部分でした。
まず「良いコンサルファーム」を見極める質問について。 色々と細かい事を聞いても、体の良い回答しか返ってこないので、ここは直球で聞くのがポイントです。良いコンサルファームを見極める上で最も有効な質問は、「社員代替系の案件もありますか?」と聞いてみる事です。
(中略)
では「良いコンサルタント」を見極める質問について。 これも直球で良く、良いコンサルタントを見極める上で最も有効な質問は「あなたは何のスペシャリストですか?」と聞いてみる事です。
257/537 良いコンサルファーム・コンサルタントの質を見極めるたった1つの質問
「良いコンサルファーム」の方は、ステージにもよると思いますが高級万年筆としての働き方が嫌だとお考えの方には、有効な質問かもしれないと思いました。
一方で、「良いコンサルタント」の方は、ファームにもよりますがコンサルが面接する場合には、有効な質問かもしれないと思いました。少数精鋭を標榜しているファームはコンサルが面接すると思います。成長・拡大志向のファームは人事担当者(元コンサルかもしれません)が面接することが増えていると思います。この場合、コンサルじゃない方もしくは現役でないコンサルの方が面接相手になるので、質問としては意味をなさないと考えます。
結局のところ、自分のステージがどこにあり、目指す姿をどこに設定しており、現状とのギャップからどこに属するのがよいのかを考えることが、ファーム選びのポイントだと考えます。そこから各個人の志向により、パートナーやプリンシパルを目指すのもよし、独立したり起業したりするのもよしなのだと考えます。
個人的には古い人間なので、新卒でコンサルを目指すよりも、事業会社でその領域のプロとしての知見を積んだ後でコンサルを目指す方がよいと考えています。結局のところどの領域を選んでも、昔から積み上げられている基礎部分は業種・業界が異なっていてもあまり変わらないので、どこかで専門性を磨き上げていれば応用が利くと考えます。そのためには、新卒時は親切丁寧な新入社員研修があるところでビジネスマナーを学び、事業会社内のなかで専門性を磨きそこから旅立つ方が、クライアントのためにも自分自身のためにもよい結果を生むと考えます。
こんにちはという挨拶を覚えていれば、英語ならハロー、フランス語ならボンジュールのように置き換えるだけです。コンサルの能力として求められていることは、自身の知見をクライアントの業種・業界・業態にあわせてアレンジすることができることだと考えます。新たな業界であっても、その業界のことをゼロから短期間にキャッチアップすることができることも能力に含まれていることだと考えます。
長い人生のキャリアをどうするのかという話なので、別にひとつの正解があるということではありません。満足した人生だったと思って死ねるかどうか、そのために今をどう生きるのかということなのだと考えます。

