中小企業の「ストックビジネス」参入バイブル

興味があり買っていた本をさくさくっと読みました。

売上高の伸びが期待できるフロービジネスと、少しずつ売上高を伸ばしていくストックビジネスは、経営者の好みによって使い分けられるものだと感じます。
日本に留まらず世界に目を向けている経営者にとっては、フロービジネスで成功することが望みだと感じます。一方、特定領域やエリアで長くビジネスを展開したいと考えている経営者にとっては、ストックビジネスで成功することが望みだと感じます。
どちらが良い・悪いではなく、ゴール設定と時間軸、順序などを考慮して検討すべきだと感じました。

新規売切り型のフロービジネスは、経済環境に大きく左右されますので、不確実性が高く、将来の売上予測も立てにくいビジネスです。
(中略)
農耕型ストックビジネスは、既存顧客をしっかり維持・育成することで継続的な売上を得るビジネスです。

217/2540 序章 ストックビジネスが会社を救う

下記のようにうまく事業が展開できれば、素晴らしいと感じました。私自身も経営者としてストックビジネスを拡大・深耕していきたいと考えているので、参考にしてみたいと思います。

ストックビジネスをどのように自社の中に構築していくかは、それぞれの会社が展開する事業や、得意とする業種によっても異なりますが、まずは強力なストックビジネスをひとつ持ち、その安定収益を再投資する形で、第2、第3のストックビジネスを立ち上げていくことが最も強力な経営手法だと私は考えます。

336/2540 序章 ストックビジネスが会社を救う

下記はすでに事業を営んでいる方向けのアドバイスです。コンサルタントとして、クライアントを支援する際に役立つ場面もあるかもしれないと感じました。

ストックビジネスの参入法は、「社内リソース活用型」と「社外リソース獲得型」の2つの戦略タイプに分かれます。前者は文字通り「社内の経営リソース(人・モノ・ノウハウ)を活用」してストックビジネスに参入していく方法です。社内の経営リソースが比較的豊富にある企業に向いています。一方、後者は経営リソースを積極的に社外に求めていく参入法です。

578/2540第2章 2種類のストックビジネス参入法

私と異なる考えの部分も多かったですが、 不動産に関する部分は、私とは方向性が異なりますが、 ストックビジネスの考え方を学ぶにはよいと思いました。
また、近年は中小企業においてもM&Aが活性化してきているので、時間を買うという意味からは検討の余地があると感じました。

この本では取り上げられていない内容ですが、日本で最もうまくストックビジネスを展開しているのは、国だと思います。
所得税という売り物を国民は100%買わされ、人口が伸びている時やGDPが伸びている時は自然と実入りが増え、20年強に渡る不況期においても何の努力もなく売り上げが上がるという仕組みになっているためです。
この仕組みから学べることが、ストックビジネスの長期間に渡る強さだと感じました。

投稿者: admin

ITエンジニアでキャリアをはじめ、SEやプロマネとして働いた後にマーケターとして新規事業開発などで働いていました。現在は経営戦略室で勤務しつつ、経営コンサルタントとしても活動しています。 詳細な自己紹介はこちらへ。