特集「未来を予測する技術」

DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー」2017年1月号は「未来を予測する技術」という特集でした。

私が面白かったのは、「10年先を考えて、やるべきことをやる」大西 洋さんの記事でした。
インタビュー記事でしたが、環境変化に対応が遅れている百貨店の経営者が何を考えているのかを話していて興味深かったです。

他に気に入った記事は「超予測力:未来が見える組織」ポール・J.H.シューメーカーさん、フィリップ・E.テトロックさんです。
チームの再構築を進めるという話の中の「チームの足並み」というセクションが面白かったです。

適切な資質のチームを結成する
予測者を集めてチームを結成することは、予測の向上を図るうえで有効な手法である。
(中略)チームで作業した予測者は毎年、単独で作業した予測者の成績を上回った。

記事では超予測者に資質を満たしているかを判定する「Good Judgment® Open」が紹介されていました。英語が得意な方は是非。

他にも気に入った記事は「統計学はどこまで未来を予測できるか」神永 正博さんです。
チームの再構築を進めるという話の中の「チームの足並み」というセクションが面白かったです。

統計学は部分から全体を推測する技術である。
この「推測する」ところに注目されるためだろうか、統計学と予測を、結び付ける向きが多いが、一部の例外を除いて、社会情勢のような事象に関しては、長期的な予測はほぼ不可能である。

デジタル・マーケティングに携わるものとしては、常に注意していないといけないと感じました。
母数が充実していれば、統計的な予測は正確性が増すが、初めての事象には不正確な結果を導きやすいということだと思います。
旧来RDB内に情報を精査したうえで投入、利用していたのに比べ、現在はBigDataをほぼ無制限に投入、利用するように変わってきました。
データベース内に蓄積される母数が充実することを意味すると思うので、デジタル・マーケティングの手法も変わり続けるのだと思います。

ワインの満足感のみならず、人間の行動や感情は非線形だ。社会現象は、人間の営みによって動かされるために、全体として非線形を持つのである。

カオス的変動の説明も興味深かったです。

後は「人材採用にトライアウト方式を導入する」というマット・マレンウェッグさんの記事も面白かったです。
このブログでも利用しているWordPressのCEOの先進的な考えが興味深かったです。

投稿者: admin

ITエンジニアでキャリアをはじめ、SEやプロマネとして働いた後にマーケターとして新規事業開発などで働いていました。現在は経営戦略室で勤務しつつ、経営コンサルタントとしても活動しています。 詳細な自己紹介はこちらへ。