とある事情で職場においていた本を持ち帰りました。その中に含まれていた薄い本を久しぶりに見つけ読んでみました。
薄い本なので30分程度で読み終えましたが、時代は変わっても基本は変わらないというのが、この本から読み取れることだと思います。
人間は2つのタイプに分類できるとパレートの書籍を引用して、「スペキュラトゥール」と「ランチエ」について書いてあるところに目を引かれました。前者が企業家等を指し、後者が企業家に操られる側の人々とのことでした。アイデア創出ができる人材は、天才じゃなくともお作法をマスターすれば前者になれるというのが、著者の主張だと思います。
この分類によるスペキュラトゥールとは英語の<投機的>というほどの意味の言葉である。
(中略)
このタイプの顕著な特徴は、パレートによれば、新しい組み合わせの可能性につねに夢中になっている点である。
アイデアの作れらる全過程をまとめたものは、興味深かったです。広告・宣伝業界にいた著者も指摘しているように、異業種でも同様の作法があるのが興味深い点です。
第一 資料集め-諸君の当面の課題のための資料と一般的知識の貯蔵をたえず豊富にすることから生まれる資料と。
第二 諸君の心の中でこれらの資料に手を加えること。
第三 孵化段階。そこでは諸君は意識の外で何かが自分で組み合わせの仕事をやるのにまかせる。
第四 アイデアの実際上の誕生。<ユーレカ!分かった!みつけた!>という段階。そして
第五 現実の有用性に合致させるために最終的にアイデアを具体化し、展開させる段階。
1988年が初版の本ですが、現在でも変わらずに行われている作法が書かれており興味深かったです。同著では、アイデア創出の場面よりもそれ以前の準備段階を重視することと、アイデア創出後のレビュー段階を重視することを指摘している点が素晴らしいと思います。