経営コンサルタントの教科書

評判がよさそうな本だったので読んでみました。小宮さんの本はサクサク読めるので、息抜きにちょうど良いと思っています。

経営者の役割や心構えについて書いてある章で、公私混同を避けましょうということが書いてありました。当たり前だと感じますが、これまで接してきた経営者の中には、当たり前ではないのだと感じる場面に出会うことがあります。
下記のように「基準」を示すのは、第三者の目としてコンサルタントが存在する価値の一つになると考えます。

このように基準を与えることは、経営コンサルタントにとって大事な役目です。

P31 第一章 経営の本質

経営者として数字を追うのは当然だと考えています。数字が頭に入っていない経営者だと、感覚だけで経営することになるためです。
一方で、数字はマイルストーンにはなりえたとしても、目的にはならないと考えています。あくまでも目標や結果を示すだけなのだと考えています。
下記でいう「本来の目標を思い出してもらう」とは、創立計画や経営計画で考えた大上段の社会的な存在意義や存在価値を指しているのだと感じました。

そのため経営コンサルタントとしては、経営者が数字ばかりを追いかけようとしたときには、本来の目的を思い出してもらうおうに努力しなければいけません。

P48 第一章 経営の本質

下記はその通りだと考えています。ビジネスとしては「教祖」になることが、楽して儲ける方法だと思いますが、私の理想とする働き方とは異なるので、自分らしくありたいと感じました。
『愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。』という格言と似ている部分があると感じました。

コンサルタントのなかには「先生」と呼ばれて教祖になりたがる人がいますが、私は、コンサルタントは「宣教師」を目指すべきだと考えています。

P76 経営コンサルタントの心得[その二]

士業の中で診断士が、他の士業と異なる部分は、独占業務がないことだとよく言われます。つまり、ルールに従う必要のある他の士業に対して、何をしてもよいのが診断士と言えるのだと考えています。
公認会計士さんや税理士さんは、ルールに基づいて資料化するのがメインの仕事だと考えます。ですから、過去を重点的に見るお仕事と言えるのだと感じます。
一方で診断士は、経営の方向性を定め、リソース配分を決め、成功確率を高めるための支援をするのが仕事だと考えています。

言い換えれば、税理士や会計士は過去を扱っているわけです。
(中略)
それに対して経営者や経営コンサルタントは、過去を踏まえたうえで未来を見る仕事です。

P195 第五章 会計と財務の視点

気軽に読める本でしたが、自分を振り返りつつ読むことで、反省すべき部分も見つかりました。その意味でよい本だと思います。

投稿者: admin

ITエンジニアでキャリアをはじめ、SEやプロマネとして働いた後にマーケターとして新規事業開発などで働いていました。現在は経営戦略室で勤務しつつ、経営コンサルタントとしても活動しています。 詳細な自己紹介はこちらへ。