実践 スタンフォード式 デザイン思考

気分転換が必要だと思ったので、ライトな書籍を積読本の中から手に取りました。

マーケティングでは語りつくされているような話ですが、需要≧供給の時代は作れば売れた、もしくは技術が高ければ売れたが、需要<供給の時代はそれだけでは売れないということを指摘していました。
この辺りは、イノベーションも、マーケティング、経営学、デザイン思考も関係なく、同様の思想があると感じています。

時代が流れ、技術や市場が成熟してきたいる現在では、①技術的に実現できる製品を、②成長している市場に供給するだけでは、イノベーションを起こすことは難しくなっていています。今ではこれらに加え、イノベーションを起こすためには、③人々にとって魅力的なもの、つまり本当にユーザーが欲しているもの、という視点が必要になったといえるでしょう。

P42 第1章 なぜデザイン思考が必要なのか?

コンサルタントとして常に頭にある、「誰に、何を、どのように」というフレームワークが下記にも表れていると感じました。
事業ドメインを定める際に出てくる、エイベルの3次元定義と同じという点が面白いと感じます。

このプロセスではその名の通り、ユーザーインタビューで集めた情報をもとに、問題の定義を行います。「ターゲットは誰か(Who should we solve)」、「何を解決すべきか(What should we solve)」。それから、「どうやって問題を解決すべきか(How should we solve)」 、ブレインストーミングをしていきましょう。

P82 第2章 デザイン思考をやってみよう

テストに語っている点は、とても良い視点で書かれていると感じました。
プロトタイプは新製品の発表会ではない旨のことが書かれていますが、まさに的を射た表現だと思います。
日本企業では、不確実性の高い卵状態であっても、なぜか詳細な事業計画を求められたり、数字の根拠が求められたりし、上市する前につぶされるという場面が多いと感じます。
その意味で、下記の観点で確認しているだけとの意識統一が図られると、成功が近づくと感じます。

ユーザーテストにおいて、プロトタイプがうまくいっているか確かめる基準は、①ユーザーがプロトタイプからどんなことを感じるのか、どうやって使うのか、これがユーザーのニーズを満たすものなのか、といった項目です(図2-9)。

P116 第2章 デザイン思考をやってみよう

ターゲットユーザー、エクストリームユーザー以外に下記のユーザーを検討しておくとよいとの指摘でした。
視野を広げる意味でもよい試みになると感じました。

図3-8 ユーザーのタイプ
①ディセンダントユーザー
 将来影響を受けるかもしれないユーザー
②アンビエントユーザー
 周囲にいるユーザー
③パラレルユーザー
 対象となる体験を次に体験するユーザー
④ターミネーターユーザー
 競合するサービスに関わるユーザー

P145 第3章 ツールキットを使ってみよう

スタンフォード式ということなのでd.schoolで学んだことをベースとして書かれている本になっています。
言い換えるとIDEO式ともいえるのだと思います。
とわいえ、筆者が繰り返し語るように「自らの手を動かす」ことが求められるのだと感じます。

よい気分転換になった気がしました。

投稿者: admin

ITエンジニアでキャリアをはじめ、SEやプロマネとして働いた後にマーケターとして新規事業開発などで働いていました。現在は経営戦略室で勤務しつつ、経営コンサルタントとしても活動しています。 詳細な自己紹介はこちらへ。