「若者のくるま離れ」なのか?

一般社団法人 日本自動車工業会(自工会)のサイトを見ていると、情報の更新が行われていることに気づきました。

改めて、日本において自動車を保有することは、経済的負担が高いと感じました。

自工会の試算として、240万円の自家用乗用車を購入すると、13年間にはほぼ同額の経済的負担の支払いが必要とのことでした。車を買って240万円+13年間保有して240万円で、合計480万円の支払いということです。
なぜ13年という数字がでているかというと、平均使用年数が13年を超えているためです。平均使用年数とは、自動車を初度登録してから抹消登録するまでの平均年数のことです。
参考:http://www.jama.or.jp/industry/four_wheeled/four_wheeled_3t2.html
  「2019年3月末の乗用車(軽自動車を除く)の平均使用年数は13.26年」

図2:自家用乗用車ユーザーの税負担額(13年間)
図2:自家用乗用車ユーザーの税負担額(13年間)
http://www.jama.or.jp/tax/responsibility/image_02.html

前提条件: ①2000ccで車体価格240万円(税抜き小売り価格)の乗用車 ②車両重量1.5トン以下 ③年間燃料消費量1,000リットル
④重量税は車検証交付時または届出時に課税(第1年目は新車に限り3年分徴収) ⑤税率は2020年4月1日現在
⑥消費税は10%で計算 ⑦リサイクル料金は2000ccクラスの平均的な額
注:1.有料道路料金、自賠責及びリサイクル料金は自動車諸税に準ずる性格を有するため計算上加味した。
(自賠責保険は2020年4月1日現在の保険額) 2.有料道路料金は2018年度料金収入より日本自動車工業会試算。

http://www.jama.or.jp/tax/responsibility/image_02.html

試算結果としては、そんなに無理くり数字をつくっているとは感じませんでした。素直に高いなと感じました。
また、以前に紹介した気がしますが、自家用車の稼働率は高くても7%程度です。このように考えると、ほとんど使用しないものを所有する意欲は高まらないという風に感じます。

特に公共交通が発達している都市部や、職住近接の環境にいる方であれば、車を所有する意欲が高まらないと思います。
MaaSの進展とともに、自家用車の所有率はますます低下するでしょうし、「若者のくるま離れ」と括ってしまうのは危険な気がします。一方で、商用車のシェアは高まるでしょうから、事業者向けの車が求められるということだと理解しています。

本業で自動車業界と関わっているので、興味深い情報だと感じました。

投稿者: admin

ITエンジニアでキャリアをはじめ、SEやプロマネとして働いた後にマーケターとして新規事業開発などで働いていました。現在は経営戦略室で勤務しつつ、経営コンサルタントとしても活動しています。 詳細な自己紹介はこちらへ。