とある著名教授から薦められていた本を買い貯めていたのですが、やっと読んでみました。
今回はKindleで読んだのですが、途中からつらくなってしまいました。
書籍で読むと536ページもあるそうです。
Kindleで読む場合は、もう少し短い本が向いていると思いました。
さて、この本は限界費用がゼロに限りなく近づいていくから、モノやサービスもゼロに近づいていくよと述べています。
同じ内容の話が繰り返されるため、私は途中で飽きてきましたが、お話としては楽しめました。
下記の部分は面白いと思いました。
第14章 社会関係資本のクラウドファンディング、民主化する通貨、人間味ある起業家精神、労働の再考
評価格付けとコモンズの通貨
各人が他者のためにモノを作ったり、修理したり、サービスを提供したりした労働時間を基本にしている。労働時間は、現金のように時間銀行に貯蓄され、他の財を得たりサービスを受けたりする時間と交換できる。
(中略)
この概念は、ソーシャルエコノミーを成り立たせる中核原理、すなわち互酬性に基づいている。隣人に手を貸せば、回り回っていずれ誰かに同じように手を貸してもらえるだろうという考え方だ。
読んでいて感じた私の疑問は、(1)現在の中央集権的な組織が厳しくなるのはわかるが、全てが分散化した後で、利己的な人間が分散化した後も「社会性」を優先するのだろうか?、(2)プロシューマーが見たことも想像したこともないモノをどうやって3Dプリンターで設計・製造するのだろうか?、(3)モノやサービスの価値が限りなくゼロに近づく状態で、イノベーションを起こしたいと考える人が出てくるのだろうか?、等といった点ですね。
一番の疑問は、固定費のことをどう考えているかってことですね。
価値がゼロになってしまえば、誰も固定費を投資してまで、製造しないってことになる気がしますね。
これもスタートレックに出てきた「レプリケーター」みたいなもので、何でも製造できるようになるから、固定費は考えなくてよいようになるってことかもしれませんね。
私としては、日本版に追加されている「特別章 岐路に立つ日本」は、読んでおいて損はないと思いました。