事業戦略策定ガイドブック

なんとなく気になっていた積読本の中から読んでみました。
MBAコースの復習にはもってこいの内容でした。

市場評価モデルとして、独自のフレームを示している点が面白いです。
全社戦略ではなく、事業戦略とタイトルにある通り、具体的な内容をイメージしやすい記述になっていました。

<市場環境を評価する6つのポイント>
・市場規模
・市場の成長性
・未開拓市場
・支払い余力
・需要の密度
・市場の不確実性

P32 第1部 事業の方向 第2章 事業コンセプトの評価と決定

コンサルタントとして経営層と議論するときに常に意識しているのは、「何のために」です。想いがあってこそ、策を提案することができます。想いがないところに、策を検討しても手ごたえがありませんし、策を提案したところで経営者は納得し、実際に行動に移すことはないと感じます。
そういった意味では、下記の評価軸を明確にして議論していくことは大切だと感じます。

なお、事業目標は定量的なものもあれば定性的なものもあります。例えば、次のようなことを検討してみてください。

・事業規模か、収益性か
・短期的成果を目指すのか、長期的成果を目指すのか
・リスクを取って挑戦するのか、確実な成功を目指すのか
・柱となる事業に育てるのか、主力事業への貢献を重視するのか

P46 第1部 事業の方向 第2章 事業コンセプトの評価と決定

マーケターとしては、「差異化」と表現して欲しいと感じます。
別に「差別」したい訳ではなく、他との「差異」を出すことが目的だからです。他との違いがあることに価値があると考えています。

差別化要素は様々なものがありますが、それらは3つのパターンに分類されるという考えを提示しました。

(中略)

その3種類とは、「業務の卓越性」、「製品の革新性」、「顧客との密着度」です。

P105 第2部 市場戦略 第4章 状況別の差別化戦略

プライシングやマネタイズは、経営者の仕事そのものだと、常々感じます。
ちょっとした違いが大きな収益率の差となり、成長・発展の度合いの差となってしまうためです。

商品・サービスを提供したならば、その対価を、その相手からその時点で受け取るのが普通です。しかし状況によっては、ちょっとした工夫で、平均以上の利益を稼ぐことができます。その方法は、”マネタイズ”と呼ばれています。

P204 第4部 利益モデル 第9章 マネタイズ方法の検討

MBAコースで学んだ内容をさっと復讐できたので、よい時間を過ごせました。
途中途中に出てくるケースの内容も、ビジネススクールで行うケースみたいで楽しめました。

MBAで学んでみたいと考えている方や、事業戦略の立案などに関わっている方にも参考になる本だと感じました。

投稿者: admin

ITエンジニアでキャリアをはじめ、SEやプロマネとして働いた後にマーケターとして新規事業開発などで働いていました。現在は経営戦略室で勤務しつつ、経営コンサルタントとしても活動しています。 詳細な自己紹介はこちらへ。